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Kifu for JS [詰将棋]

HPの棋譜再現に、ずっと以前は、柿木さんの「Kifu for java」を使っていたが、数年前からセキュリティ設定がやたらと厳しくなってきて、特殊な例外設定をしないと使えなくなってしまった。一般読者にそれを求めるのは無理なのでついにあきらめることになり、その際採用したのが、柿木さんの「Kifu for flash」である。ただし、これはiOSやアンドロイドの標準ブラウザには対応していない、というのが最大の問題でした。それでもdorfinなどの特殊なブラウザを使ってくれさえすれば対応できるので、それでガマンするしかなかったわけです。
 さらにここに来て、近々flashのサポート終了という情報がもたらされてきたので、これもあきらめざるを得ない事態となってしまいました。

 ここに登場したのが「Kifu for JS」であり、最近ボチボチ、方々のHPやブログで使われ始めたようです。

 ついに私もこれを導入することを決意し、勉強を始めたのですが、これがなかなか難しい。

 na2hiro/Kifu-for-JS

 「ブックマーレット」やら「コード」やら「引数」やら、全然なじみのない言語が並んでいて全然話についていけません。標準的HTML文を何とか理解できる程度の知識ではどうにもなりませんわ・・・・。
 「java」や「flash」導入の際は、柿木さんが導入例のHTML文を披露してくれていたので、意味不明のままでもその通りにHTML文を書きさえすればよかったのですが、「JS」はそうはいかないものか悩まされることになった。

 結論としては、どなたか、JS版が動いている方のHPのHTML文を研究して、そのマネをするのが手っ取り早い、ということになりました。
 今回、再考させていただいたのが、加藤さんのおもちゃ箱でした。
 そして数日間、試行錯誤を繰り返して、やっと到達したのがこのページです。何とか動くようになりました。

 詰将棋劇場・表紙

 以下にこのページに至るまでの手順を記載しますので、もしマネしたい方がおられましたら、どんどんマネしてください。

    ----------------------------------------------------------------------


①まずは上記「na2hiro」のページの「Clone or download」のバナーをクリックして、「Download ZIP」を選択。 ZIPファイルをダウンロード(DL)して解凍。
 できた「Kifu-for-JS-mastaer」というフォルダーと中のファイルを、自分のHPの適当なフォルダーにそのままコピーする。

jQuery のDL
 上記のページの 「Download the compressed, production jQuery 3.3.1」をクリックし、jQuery 最新版をDL。
 これを①の「src」フォルダーにコピー

③以下のHTML文を作成し、適当な名前(拡張子:html)を付けて①と同じレベルのフォルダに入れる。

-----------------------------------------------------------------------------------------
<html><head>
<meta http-equiv="Content-Style-Type" content="text/css">
<link rel="stylesheet" type="text/css" href="Kifu-for-JS-master/css/kifuforjs.css">
<script src="Kifu-for-JS-master/src/jquery-3.3.1.min.js"></script>
<script src="Kifu-for-JS-master/bundle/kifu-for-js.js" charset="utf-8"></script>
<script>var Kifu = KifuForJS;</script>
</head>
<script>Kifu.load("30.kif");</script>
</html>
-------------------------------------------------------------------------------------------

 たったこれだけの文で良いようです。

 注意事項ですが、①のフォルダ名を変更していないことが前提です。変更した場合は、変更したフォルダ名に変えてください。
 赤のkifファイル名を表示させたいファイル名に変更してください。

 ところが、これだけではまだうまく動いてくれません。重要なファイルがまだ1個不足しているのです。
 6行目の「kifu-for-js.js」というファイルは、①でDLした中にはないので、どこかで入手しなければいけないのです。

 私の場合はおもちゃ箱のサーバーからコピーさせてもらいましたが、今後の方は私のサーバーからコピーしてくださって結構です。

 「kifu-for-js.js」

 上記のリンクを「右クリック」「対象をファイルに保存」とし、入手したファイルを、「Kifu-for-JS-master」フォルダの下に「bundle」フォルダーを新規に作って、その中にコピーしてください。
 (エディターで確認してみましたが、どうやらこれが盤面表示プログラムそのもののようです。)


④表示させたいkifuファイルを①と同じレベルのフォルダに入れる。
 その際、kifuファイルをエディター(メモ帳で可)で開いて、開始時間や手合いや対局者名など、詰将棋には無駄な情報は削除して上書きしておくことをお勧めします。

⑤これらのファイルをサーバーにアップロードする。

これでいけるはずです。
③で作成したhtmlにアクセスするだけで、盤面も表示されます。

 
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豪雨災害と全国大会 [詰将棋]

 先週の豪雨災害、普段は天災とは無縁と思われていた岡山県でもかなりの被害が出ました。特に、倉敷市真備町が最大の被害で、同じ倉敷市ということで、私の方にも心配したメールが度々届いております。
 いろいろご心配いただいて恐縮するばかりです。

 結論から言えば、真備町は倉敷の北側の山側、当方の児島は倉敷の南側の海側で全然別の場所。もともとは別々の市や郡だったものが、倉敷市に合併されただけのことでして、距離的にもかなり離れています。私の家は、全く被害がありませんでした。

 ただし、病院のサポート地域の一角ではあるので、先週は、患者の大量受け入れとか、避難所巡りのサポートなど、普段の業務以上に業務が拡大してなかなか大変だったみたいです。この状況は今後もしばらく続くようです。


 そんな中、明日はいよいよ、東京で詰将棋全国大会ですね。

 申し訳ないですが、今回は不参加となります。 
 病院でただ一人の麻酔科医としては、やたらと岡山を離れることができないという原則があるもので、東京はさすがに遠いです。

 来年の大阪には必ず参加しますのでご了承ください。
 岡山で盛況を祈っております。



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詰備会 [詰将棋]

 昨日は詰備会でした。

 週間天気予報では悲観的でしたが、前日の強風下の雨は朝にはあがっていました。降水確率20%だったので安心して傘を持たずに岡山に出向きましたが、岡山駅に着いた頃には雲行きが少し怪しくなり、歩いている間に小雨が降ってきましたが、幸い、雨具が必要なほどではなかったです。

 途中で小池氏に遭遇したので、そのままいっしょに会場まで歩きました。

 13時少し前に会場に到着した時には、すでに数人の方が来ておられました。その後徐々に集まり、結果的には13名とまずまずの盛況でした。

 今回の招待客は、丸亀市の津久井氏。詰パラ会員ではないのですが、先日の解答選手権一般戦倉敷会場で、唯一全題正解(37分)だった方です。
 学生時代以来、数十年ぶりに取り組んでおられるそうですが、藤井6段の影響が大きかったようです。

 今回は、中村斑、利波斑の二手に分かれて、作品展用作品集と小林氏のミニ作品集を解きまくってもらいました。
 作品展用の方は比較的あっさり終わりましたが、小林作品の方はなかなか手強かったです。作者にヒントももらいながら、やっとのことで攻略できました。

 そうこうしているうちに終わりの時間となりました。

 tumebi3005.jpg

 上段左から、斎藤・利波・小林・津久井・竹村・中村・小池
 下段左から、片山・吉松・岩本・則内・赤畠 (敬称略)


 その後は、バスで帰られた則内氏以外の12名で、いつもの居酒屋で二次会を開催しました。

 有志で三次会もあったようですが、私は失礼して、津久井氏と同じ電車で帰宅しました。詰パラの購読は「是非!」とお勧めしておきました。


 なお、秋の詰備会の日程も決定しました。
 11月3日(土・祝)13時から。場所は本日と同じく、岡山市天神山文化プラザ ですが、部屋は第5練習室に変わります。



 
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5月4日は詰備会 [詰将棋]

 2週間後の5月4日(金・祝)は詰備会を開催します。場所はいつもの通り、 岡山市天神山文化プラザ 第一練習室で、13時からの予定です。

 数年前までは連休を避けた日曜日に開催していたのですが、遠来の人が来やすい環境を優先して、敢えて、連休中に開催することにしています。
 連休中だとかえって参加しにくい方もおられるかもしれませんが、その辺はご了承ください。

 ただし、連休中の開催となると、その弊害として、二次会の会場を押さえるのが非常に難しくなります。

 結果、前日の5月3日までに、ある程度の人数を確定させて店側に伝えることになりました。

 そこでお願いです。

 詰備会に参加予定の方(特に初参加の方)は、件名「詰備会」を明記の上、私宛にメールをくださるか、ここのコメントに投稿してくださるようにお願いいたします。
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解答選手権初級戦・一般戦 in 倉敷 [詰将棋]

 今日は解答選手権初級戦・一般戦でした。

 数日前までは初夏の陽気でしたが、昨日の雨風の影響で桜はスッカリ散ってしまったのに、無闇に肌寒い一日でした。

 倉敷会場は、昨年までの芸文館が改装中で使えなかったので、倉敷市民会館での開催となりました。
 また、昨年と同様、明日の職代戦参戦のため、通常の運営員T氏が不参加。今年も小林氏に代理をお願いしていました。

 12時15分前に会場に到着。駐車場に心配していましたが、意外とガラガラで好きなところに置ける状況で、この点は助かりました。
 会場前では、すでに赤畠氏と小林氏が待っておられました。
 契約が12時なので、12時にならないとカギをもらえないのだそうです。多少の融通は利かせてくれても良さそうに思うのですが、厳格に運営するところもあるんですねえ・・・。

 12時キッカリにカギをもらいに行き、開場。
 昨年までの芸文館では最初から会議室の形態だったのですが、今回の展示室は元々は何も置いてない部屋。3人で、机・椅子を倉庫から出して並べないといけないので、これがなかなか大変でした。

 そうこうしているうちに、お客さんが徐々に集まってきて、受付をして、定刻通りに初級戦が始まりました。29名参加でした。

 今年は初級問題は易しいとの予想通り、大量の全題正解者が出ました。
 間口を広げるために易しくしてあるのかもしれませんが、もう少しは難しくてもいいのでは?というのが素直な印象です。


 引き続き一般戦。こちらは22名の参加でした。

 今年の一般戦は少し変化の難しい問題が混じっていましたね。
 自分で事前に解いたところでは、何とか全解できたものの、30分前後はかかってしまいました。

 今年の倉敷は全解0かと心配していましたが、香川から初参加の方が37分で全解でした。37分というのは全国的にもかなりの上位に入るのではないでしょうか。
 結局、全解は1人のみで、目玉賞品のサイン入り谷川作品集「月下推敲」を持って帰られました。

 昨年の1位松田氏は5番が時間切れで部分点のみの26点で2位。もう一人5問正解25点の方が3位という結果でした。

 途中退室が一人のみなので、21名分を一度に採点して、その後問題の解説をするのは時間的にかなり厳しかったですが、何とかこなせました。 

 記念の写真撮影を終えて、その後、会場の後片付けがまた大変・・・・。17時を少し過ぎてしまったら、事務所から催促の電話がかかってきたり・・・。
 来年は絶対に、芸文館に戻してもらおうと思うばかりです。


 その後、赤畠氏は翌日の職代戦に向けて東京へ出発。
 私と小林さんは近所のファミレスで、看寿賞候補作について意見を出し合うなど、色々議論をして、その後解散となりました。

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3月のライオン [詰将棋]

 3/24のNHKアニメ「3月のライオン」で、主人公の読んでいた詰将棋の本が数カット大写しになって、ほんの一瞬だけ、詰手順まで完璧に表示されていました。録画を停止させて確認したところ下図の作品でした。

 lion.gif 
  →Flash版・手順 (別ウインドウで開きます)

 適当に書いてあるのかと思ったら、キッチリとした作品だったのに感心するばかりです。

 他にも何作か映っていましたが、残念ながら、部分図ばかりで、全体が見えたのはこの作品だけでした。

 これはさすがにどなたかの作品だったのでしょうか?
 ご存じの方あれば教えてください。
  ※無双12番だったそうです。(加藤氏より連絡)


 それにしても、主人公;桐山零も現実の藤井聡太の前ではスッカリかすんでしまった感じです。

 もし、桐山零がデビュー以来29連勝をして、1年目から名人・竜王にも勝って、将棋4冠王を取ってしまうような活躍をするような話を作ったとして、それを編集の人が受け入れてくれていたと思いますか?
 「事実は小説よりも奇なり」ってことですね。

 本日のチャンピオン戦は果たしてどうなるでしょうか?

 マスコミ対策として、名古屋の秘密会場を増設したそうです。うまい方法を考えたものだとは思いますが、その分、費用もスタッフも余分に必要になるので、運営も大変ですね。
 
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詰四会 [詰将棋]

 昨日は詰四会でした。

 低温続きとインフルエンザ流行の影響だったのかもしれませんが、関西方面からの常連客員の不参加が多く、総勢9名とこぢんまりした会合でした。
 今回の特記事項は、看寿賞作家・廣瀬氏の初参加でしょう。氏は昨年、福岡経由で松山市に転居されて、詰四会の正規会員になられたわけです。

 何作か見せてもらいましたが、流石と思わせる作品ばかりでした。中の1作を作品展用に提供いただいたようです。

 その他は、各人から作品展用の作品を集めて、鑑賞・検討を行い、どうにかそれらしい4作が出そろったようです。

 その後はプルーフゲームやら、フェアリーの超複雑なルールの問題とかの話題になりましたが、結局は結論が出ないままで、中途半端に終わってしまいました。
 
 二次会は直帰された廣瀬さん以外の8名でいつもの居酒屋で盛り上がりました。


 そして、本日帰宅したら、何と・・・・、パラ2月号が届いておりました。まだ29日なのに、異常な早さですね。
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パラ1月号 [詰将棋]

 本日、早々に詰パラ1月号が届きました。年内到着は大歓迎ですなのですが、日頃の怠慢がたたって、12月号を半分以上手つかずのままで残してしまっているので、少々複雑な心境です。もう少しは詰将棋に身を入れないといけません。

 とりあえず、気分新たに1月号を開いてみる。

 まずは表紙。盤面4枚の簡素図式。直感的にある筋が見えるが、変化がちょっと見えにくい、という感じでしょうか。

 いつもの学校の後は、例年通りの「短期段位認定」10題。今年は半分の5題がプロ棋士出題というのが注目点ですね。

 そして・・・・、何と「詰備会作品展」があるではないですか!!
 例年通り2月号廻しになるのを覚悟していたのですが、今月にしてくれるのなら非常に助かります。
 それというのも「年賀詰」の問題です。もし、2月号掲載なら、1月中のHPは予備作でつながなければならないからです。
 予備作でもそれなりの出来ならまだ良いのですが、今年は下記の作品しかできていなくて、正直困っていたのが事実でした。

  30.gif

 63角成以下平易な追い手順の23手詰ですが、収束5手は全くの非限定で、完全作とは言い難い内容でした。

 年賀詰以外の3作は、記載の通り、全国大会握り詰と同じ条件の作品です。
 9月号掲載の本家の作品と十分対抗できる作品群と思っています。

 ただ、1月号掲載だったら、冒頭に「謹賀新年」の1行を追加しておいて欲しかったですね。
 こればかりはしかたないですか・・・。

 そして最後のページを見てビックリ。何と・・・長谷川大地さんがデパートの担当になっているではないですか。
 これは全然知りませんでした。
 今後は詰備会としても応援していきたいです。


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詰備会 [詰将棋]

 本日は詰備会でした。

 先週まで2週続けて週末雨(しかも台風)で心配していましたが、今日は雨の心配はないと予報でした。安心して岡山に向かいましたが、会場まで歩いている途中で非常に細かい雨が降ってきて、あらあら・・・・・。幸い、傘が必要なほどの降りにはならなかったので、まあ助かりました。

 会場付近で、見覚えのある顔の方を見かける。初参加の名古屋、堀内氏とわかりました。
「昼ご飯を食べられるところありますか?」
 残念なから私自身もそんなに詳しくないので、「あちらの方向へ行けば何かあるはずです。」と適当な返事しかできませんでした。申し訳ない。

 ともかく、会場に着いてみると、赤畠氏を始め数人がすでに盤面を囲んでおられました。

 その後は順調に参加者が到着され、やがて堀内氏も来られました。今回初参加はお一人でした。
 高速道路に通行止めが出た影響で、山路氏の到着が3時過ぎになってしまったのは残念でしたが、ほぼいつものメンバーで、総勢13名とそこそこ盛況でした。

 堀内氏からはネットの作品募集の声。「使用駒11枚以上の5手詰」ということでしたが、私はもちろん遠慮しました。
 しかし、吉松・中村・片山らのグループで1作創り上げちゃったみたいです。この辺りはさすがです。

 私は赤畠氏とパラ11月号を解いてみました。さすがに今月号は好作が多いです。

yamaji.jpg

 終わり間際で、山路氏から「煙詰を創ってみました」との発言。
 それは是非見せてもらいましょう、ということになって、利波氏を中心にみんなで解いてみることになりましたが・・・・。
 いやー、とにかく難しい。
 ここで余り細かい事は書けませんが、やたらと合駒の出てくる、凄い手順でした。
 氏の才能には敬服しかできませんね。

 二次会はいつもの居酒屋ではなくて、中華料理店になりました。
 川崎氏以外の12名が参加。
 17時に始めたので19時過ぎにはお開き、と実に健全な会となりました。

 私はこれで帰りましたが、数人は三次会に行かれたみたいでした。

yosi.jpg
aka.jpg
上段:岩本・上谷・片山・川崎・中村・利波・竹村
下段:山路・平井・小林・(吉松)・堀内・(赤畠): 敬称略 

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「涛龍」の疑問点 [詰将棋]

 お久しぶりです。
 今回、たまには詰将棋作品について本格的な論考文を書いてみようと思い立ちました。しばしお付き合いください。

 先日「看寿賞作品集・完全版」が刊行されました。作者・柳田明連盟会長のライフワークと位置づけされているだけあって、実に読みごたえのある1冊です。看寿賞受賞作ばかりですから、作品内容が素晴らしいのは当然ですが、とにかくその解説がすごいです。
 特に、田島作品の超難解・複雑な作品を「これまでやるか」と言いたくなるほど、細かく解説されているところなどは圧巻です。
 未読の方は是非購読されることをお勧めします。

 この作品集を読んでいて、ふと気になった作品がありました。

       touryuu.gif

 158番「涛龍」井上徹也作、平成24年長編賞です。
 回転型龍追い手順中に合駒変換機構を取り入れ、多重連取りと組み合わせたオリジナリティ溢れる傑作です。
 ここでは手順についての論議はしません。手順の方は、それこそ、作品集を読むなり、詰将棋連盟のHPを参照するなりしてください。最初にお断りしておきますが、以下の論考は、手順については十分に把握できていることが前提になっていますので、その点ご了承ください。

 気になるのは、配置面におけるいくつかの疑問点です。

 まず気になるのが「87歩」「76歩」の配置です。これは何故「と金」でなくて「生歩」なんでしょうか?
 もし最初から「87と」であれば、途中(248手以降)88銀合するところで88歩合をする事が可能になりますから、「歩」→「銀」の合駒変換がプラスされるので、1回転分18手伸びるはずです。もし2枚とも「と金」にできれば都合36手も伸びたはずなんです。
 もしそれが可能なら当然そうしていたはずなのに、そうなっていないのはそれなりの理由があるのですが、それはいったい何なのでしょうか?

 さらに言えば、初形でもう1歩余裕があって玉方66歩を追加することさえできれば、最初に66歩を剥がすサイクルが追加できるので、飛躍的に手数を伸ばすことができそうです。
 何故そうなってないのでしょうか?単に駒不足なだけなんでしょうか?駒不足なら双玉にするという奥の手もありそうですし・・・・。

 次は89銀の配置です。一義的には、「飛の横利きを遮断して99角を可能にするため」の配置であることはわかりますが、それだけならもっとスマートな配置がありそうなものです。そもそも何故攻方なんでしょう?玉方でも良さそうですよね?

 その他、初形ではと金群に紛れて目立ちませんが、最後まで残ってしまう「96と」も少し違和感のある配置です。これはいったい何なんでしょうか?

 上記の件について、作意手順を追っても答は出てきませんし、本に記載されている「変化」「紛れ」を全部並べてみてもナゾは解けません。
 これには表面に出てこない重要な秘密があったはずですから、今回はそれを考えてみようというわけです。
 もちろん、「そんなことは全然気にならない」とか「それなら自分は最初から知っているよ」という方はスルーしていただいて結構です。



 まずは、割と簡単に分かるのが「76歩」の理由です。これがもし「76と」であったなら、247手目以降の99角に対して66歩合が可能になり、同角、同ととされ、「66と」の形になってしまうと、以後の龍追いができなくなってしまいます。
 これはさすがに分かりやすいですね。
 ならば、「87歩」も同じような理由でしょうか?
 いやいや、こちらはそう単純ではありません。この問題は一旦保留しておきましょう。

 まずは下図(836手目26角合の局面)を見てください。本の解説ではスルーされているのですが、ここで重要な紛れ筋が存在します。

       836te.gif

 それは26同香といきなり取ってしまう手です。それまでのサイクルでは66地点に空白があったので、問題なく逃れだったのですが、66銀型になった途端にこの紛れ筋が登場するのです。
 26同香、同桂、13龍、34玉、56角打、44玉、43龍、55玉、45龍、64玉、54龍、75玉、74龍、86玉、76龍、97玉と左端まで追って不詰です。ここに至って、「95歩」「96と」の存在理由がはっきりしました。実はこの紛れに備えた配置だったのです。
 つまりは、75銀→66銀と動くと、66地点からの逃れ筋が塞がる替わりに、75地点からの逃れを作っている、という訳でした。

 ここまで来れば、初形で66歩を追加できない理由はもうおわかりですね。66と75の両方が埋まっている場合は簡単に余詰なので、最初からそれは無理だったのです。

 ともかく、75からの逃れ順ができてしまうと、作意手順での龍追いにも支障が生じる可能性ができます。実際、66銀型になった後でも、2回転龍追いをするのですが、それは大丈夫だったのでしょうか?
 これは大丈夫です。作意順では、持駒に銀か香を持っていますので、同じように端まで追い詰めて、銀or香を打って詰むのです。「89銀」はそのための配置であったことがわかります。
 このように、「持駒がある場合は詰み」と「持駒がない場合は逃れ」をギリギリで切り分けるための配置であったわけです。

 ここでさらに問題になるのが、剥がされるべき「と金」群との関係です。
 77・88・99の3枚の「と金」は一方的に剥がされるだけなので問題ありませんが、他の「と金」はどの順番に剥がされるか、玉方に選択権があります。
 さらに「66歩合」をして収束に向かう時期についても選択権があるのは玉方です。
 それはどういうことか、と言うと、中途半端に「と金」を残して収束に入ってしまうことも可能だ、ということになるのですが、
 どんな形で「と金」を残されても、持駒に銀か香がある場合は詰まなければいけない、ということになります。

 ここに来て、ついに「87歩」が「と金」ではダメな理由が判明しました。もし「87と」だと、これだけを残されて収束に入ってしまうと詰まなくなってしまうのです。
 
 当然、作者としても「87と」にできる可能性をギリギリまで探ったのではないかと想像されますが、結局はこの妥協点に至らざるを得なかったということなのでしょう。


 ここで更なる疑問が生じませんか?
 収束の入り方を換えさえすれば、「87と」にできる可能性があるのではないか?ということです。
 
 たとえば、作意の55角以下では詰まないようにして、26同香以下の紛れ手順の方で持駒が余らないような手順で詰むように構成できさえすれば、どうなるでしょうか?
 実際そんなことが可能なのかどうかは別として、仮にそれが可能だったとしたら、どうでしょうか?
 もっとスッキリした仕上がりになりそうな気がしませんか?

 実はそれはダメなんです。

 66銀型になった直後、龍追い手順中、24香合をせずに、いきなり24角合とされてしまう手が成立。これでは不詰になってしまうのです。

 つまりは55角以下で収束させるのが、ギリギリの選択だったことがわかります。

 ちなみに、85銀は何のための配置かわかりますか?
 一見、さっきの詰むか詰まないかの因果関係に関与していそうですが、実はこれには全然関係ありません。
 実際は、75手目77角とと金を剥がした際の変化で、62玉に63歩、同玉、74銀以下で詰めるための配置でした。
 これは作品集にも書いてありますね。
 どうしてこんな回りくどい構造になっているのか気になりますが、この変化で1歩必要なことが重要なポイントです。すなわち、77角とと金を剥がさずに、いきなり33角成と行ったのでは詰まない構造になっているわけです。
 この辺りはさすがにうまくできていますね。

 以上で配置面の疑問点は全て解決したつもりですが、いかがだったでしょうか?

 こうやって考えていくと、創作時の作者の葛藤の一端が見えてくるような気分になりますね。
 とにかく、これが凄い作品であることは改めて認識させられました。

 
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